2018年3月5日月曜日

銅のジクロロイソシアヌル錯体

 precipitateをずっとpercipitateという綴りだと勘違いしており,検索で勝手に直されるたびに「ここはイギリスか?」と思っていたのですがprecipitateが英米共通の綴りであることを最近知りました.今回はきれいな紫色の錯体を作ったのでそれについてです.
 
 用意したのは酢酸銅水溶液とジクロロイソシアヌル酸塩を含む製品.

 銅イオンの青がきれい!ジクロロなんとかはパイプ洗うやつです.パイプ洗うやつも水に溶かして水溶液にしておきました.熱に弱いらしいので常温で溶かすのですが,水に溶かすと吸熱してどんどん冷えるので,お湯でビーカーを温めながら溶かしました.

 A液とB液がそろったのでいざ,まぜまぜ!出でよ!紫色の沈殿!

 あれ・・・?沈殿できない・・・

 しばらく放っておくと液面に少し紫色の粉っぽいものが浮き始めました.私が見た動画(参考1)では2液を混ぜるとすぐ沈殿が生じていたのですが・・・.とりあえず,時間がかかるようだったので外出して用事を済ませ,帰宅してから様子を見てみました.

 わ!なんか沈んでる!
 少しですが沈殿ができたのでろ過して回収してみました.まだ反応は終わっていないようだったのでろ液はまだ保存してあります.


 ろか装置が適当過ぎるって?イイノイイノ・・・
 沈殿を精製水で2回洗ってろ紙の上で乾燥させましたとさ.



 完成!
 なんか写真だと青っぽいね.でも実物はもっと紫です.

 なぜ反応が遅かったのかが気になるところです.参考にした動画では硫酸銅の結晶を水に溶かしているのに対し,私は酢酸にオキシドールと銅を突っ込んだ溶液をそのまま使いました.これだけで既に ・硫酸銅と酢酸銅との違い ・pHの違い(私が作った溶液は酢酸過剰) ・濃度の違い という3つの疑いポイントが・・・.さらに,私が使ったパイプ洗浄剤は発泡剤が含まれていたため,溶液中に二酸化炭素が大量に溶けていました(シュワシュワいってたョ).これが錯体の形成を邪魔している可能性も考えられます(二酸化炭素が抜けるのに伴ってゆっくり沈殿が形成されていた?).
 条件を変えた実験を行えば何かわかるかもしれませんが今回は時間がなかったので,また気が向いたらやってみようとおもいます.多分.
 
 今回はジクロロイソシアヌル酸塩を用いて錯体を作りましたが,パイプ洗浄剤にはトリクロロイソシアヌル酸塩の製品もあると思います.トリクロロイソシアヌル酸塩でも錯体はできるらしいので(参考2),そっちも試してジクロのほうとの違いを比べてみるのも面白いかもしれませんね.

 とりあえず今回は,きれいな沈殿ができたね,で終わり!


 参考

 (1)TheChemistryShack : Beautiful Purple Copper Complex https://youtu.be/aYprYEYesbs
 (2)Dichlorocyanurate complex salts https://patents.google.com/patent/US3055889





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