2016年8月5日金曜日

水素バス

 海苔巻です✌
 今日は薬局に3回くらい行きました.そこで,例の”水素浴”みたいなやつを見つけたのです.あれでやけどをしたとかいうお話が結構出回っていますが,何が入っているのか気になったので手に取って見てみました.成分は以下のように書かれていました.
アルミニウム 酸化カルシウム その他食品添加物
 つまり,これをお風呂に入れると,まず酸化カルシウムと水が反応して,大きな熱を発しながら水酸化カルシウムを作る,ということになりそうです.反応式は以下の通り.

CaO + H2O Ca(OH)2

 ここで生成する水酸化カルシウムは,水溶液になると塩基性を示します.電離度も大きく,なかなか強い塩基です.しかし,これでは水素が出ませんね.ここで,成分として一番多く入っているアルミニウムに注目します.
 アルミニウムは酸とも塩基とも反応し(このような性質を持つ金属を両性金属といいます),次のような反応で水素を発生させます.

2Al + 3Ca(OH)2 + 6H2O 2Al(OH)3 + 3Ca(OH)2 + 3H2

 このとき,アルミニウムの表面に生成する水酸化アルミニウム(Al(OH)3)が水にとけにくいために不働態となり,反応が止まるはずですが,水酸化カルシウムが強塩基であるために錯イオンを作って溶解します.つまり,安定して水素を発生させるためには強塩基を用いる必要がある,ということになります.
 なお,初めの反応(酸化カルシウムと水との反応)では大きな発熱を伴います.その発熱が反応速度を大きくする要因ともなっているのでしょうが,やけど等の危険性があります.


 ところで,これって自作できそうですよね.
 ということで,自作に挑戦してみました.いつも通り実行厳禁です.

 まず,材料としては前述のとおり,アルミニウムと酸化カルシウムです.実際の商品を購入したわけではなく,配合の割合や材料の形状はわからないので,その辺りはすべて適当です.
 酸化カルシウムは,おせんべいの乾燥材に使われているものを用いました.吸湿性があるため,フィルムケースに入れて保存しています.

 こやつを適当に細かく切り刻んだアルミホイルと混ぜます.

 これで一応完成です.では,これをお水に入れて,水素が出るか確認してみましょう.
 作ったブツをアルミホイルで包み,針などで10か所ほど小さな穴をあけます.

 これを水に浸せば,あけた穴から水が入り,この中だけで反応して穴から水素を出してくれるので安全という寸法です.ヤバくなったらこいつだけ水から引き上げればよいのです.ちなみにこのやり方は高校でやったアセチレンを発生させる実験で学びました.
 今回は,発生した水素を水上置換で捕集します.これは,水素が水に溶けにくいという性質を利用しています.

 こんな感じが良いでしょう.

 では,実験を始めましょう.水にはpH試験紙を入れています.例のブツをピンセットで試験管の下に配置します.

 ゆっくりではありますが,アルミホイルの塊の中からぷくぷくと泡が出てきます.

 水酸化カルシウムが溶けだしてくるので,容器内のpHは上がっていきます.実際に市販の水素バスをお風呂に入れたらどの程度pHが上がるのでしょうか.
 

 時間はかかったものの水素の捕集が完了しました.せっかくですのでろうそくにでもかけてみます.


 

 いかがでしょうか.捕集した量が少なく,酸素も混ぜていなかったためあまり派手に反応しませんでしたが,一応音を立てて燃焼しているのがわかるかと思います.試験管も一瞬でぽかぽかです.(実際これだけでは水素かどうかよくわからんですが,そこまで厳密に考える必要もないと思いますし水素が出たということにしておきます.)

 結論としてはまぁ・・・水素浴びるのは個人の自由だけど,やけどとかには気を付けてね!


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